机の上に丸いカードを二列、それぞれ五枚ずつ、上下をそろえて並べます。そして下の列をゆっくり広げてみます。
このとき「どちらの列が多い?」と尋ねると、子どもは長い方の列を指さすかもしれません。さっきまで同じ数だったのに、位置を動かしただけで、答えが変わってしまうのでしょうか。
すぐにカードを元に戻そうと焦る必要はありませんし、正解をすぐに告げる必要もありません。子どもにもう一度数えてもらったり、上下の列のカードを一対一で対応させたりしてみましょう。一枚も加えていないし、一枚も取り除いていません。変わったのは間隔だけであり、数はやはり五枚です。
この小さな出来事は、数学の学びの入口を具体的に開いてくれます。目に見える姿と、確かめることのできる数量は、時に異なる手がかりを与えます。子どもは自分の操作を通して、その理由を見つけていくことができます。
EvoClass の MATH000「就学前の数学の基礎」(Preschool Math Foundations)は、五つのテーマを軸に展開します。数感覚、空間と図形、分類と規則性、測定、そして時間です。コースではゲーム形式の教材と練習問題を提供し、保護者や先生が子どもに寄り添いながら少しずつ探究できるようにしています。そこで大切にされている学びの過程も、まさにこの二列の丸いカードの間に隠れています。「見た目はこうだから」から「どうすれば確かめられるか」へ、どう進んでいくかということです。
五まで数えたあと、「五」とは何かを知る
「いち、に、さん、し、ご」とすらすら言うことと、机の上の五つの物を数え切ることは、必要な動作が少し異なります。
子どもは速く言えても、指が一枚のカードを飛ばしてしまうかもしれません。同じ一枚に二度触れてしまい、別の数字になることもあります。そんなときは、テンポをゆっくりにして、一つの数詞を一つの物に対応させることが、数字を先へ暗唱し続けるよりも、目の前の問題に近づく方法になります。
レッスン1 の数感覚と数量保存の教材 では、数を数える順序、一対一対応、全体の数、数量保存を段階的に扱います。そこにある「伸ばす」場面は、同じ組の物が散らばったあと、数が変わるかどうかを観察するためのものです。
数え終わったら、少し立ち止まって「では、ここには全部でいくつある?」と尋ねてみましょう。
最後に言った「五」は、その組全体の数量を表しています。数え始める位置を変えても、カードを円形に並べても、一枚ずつ一度ずつ数えれば、全体の数はやはり確かめられます。
こうした間が、数詞と目の前の物とを結びつけます。子どもはまた、意見が分かれたときの方法も一つ手に入れます。二人の見方が違うなら、並べたり、対応させたり、もう一度数えたりすればよいのです。
同じ箱の積み木に、まだどんな関係が隠れているか
数量がはっきりしても、机の上の物にはまだ観察する価値がたくさんあります。
一つの積み木は赤い也可以是方形的。色でまとめるのと、形でまとめるのとでは、異なるグループができます。子どもに「この山はなぜ一緒なの?」と尋ねれば、どんな基準を使ったのかが聞こえてきます。
MATH000 の図形のテーマは、平面の図形から立体の形や組み立てへと広がります。分類と規則性のテーマではさらに、物と物の間にどう関係を築くかを問い続けます。形を見分けたあとも、回してみたり、組み合わせてみたりして、さまざまな位置や組み合わせの中でその形がどう見えるかを観察できます。
レッスン3 の分類と規則性の教材 では、観察にもう一つの層が加わります。一続きの並びの中で、いったいどの小さな部分が繰り返されているのでしょうか。
たとえば、子どもが扱いやすい大きめの図形カードで「丸、四角、丸、四角」と並べてみます。子どもに次の一枚を置いてもらい、さらに手で繰り返されている「丸、四角」の組を囲んでもらいます。そのあと、わざと一枚を違うものに替えて、どう直すかを見てみましょう。
子どもが「ここが違う」と言うだけなら、大人は続けて聞いてみましょう。「どう並ぶと思ったの?」と。一か所の変化を指摘できただけでも、規則を説明するための糸口にはなっています。
「長い」と「多い」は、分けて判断するものだった
さて、冒頭の二列の丸いカードに戻りましょう。
広げた列は、数は増えていないのに、端から端までの距離は大きくなっています。そこで、もともと「どちらが多い?」だけだった問いは、二つの別々に話し合える問いに分かれます。いくつあるのか、そしてどれだけの長さを占めているのか、ということです。
コースの測定のテーマは、こうした比較を身の回りの物に持ち込みます。レッスン4 の比較と測定の教材 では、始点をそろえること、単位を連続して並べること、ひもを使って固定した物を比べること、積み木などの非標準の単位で測ることなどが、具体的な探究の内容になっています。
寄り添うときには、鉛筆を二本使った小さな実験もできます。まずずらして置き、どちらが長いか子どもに判断してもらいます。そのあと片方の端をそろえて、もとの理由がまだ成り立つかを見てみましょう。
積み木で机の端を測るとなれば、また新しい問題が出てきます。積み木の間に隙間が空いていたら、その記録した数は長さを正確に表せるでしょうか。一人が大きな積み木を、もう一人が小さな積み木を使ったとき、数字が大きい方が必ず長く測ったと言えるのでしょうか。
ここで「どう比べれば公平か」が、手を動かして確かめられる意味を持ちます。始点はそろえる、単位は示す、並べ方もそろえる、ということです。
こうした条件を一度に説明し尽くす必要はありません。測定の途中で疑問が出たら、まずその中の一か所を解決し、自分のやり方をなぜ調整する必要があるのかを子どもが見る機会をつくりましょう。
数学を一日の生活に連れ戻す
時間は、机の上の積み木よりも手に取って観察するのは難しいものですが、同じように子どもの経験と結びついています。
MATH000 の最後のテーマは、物事が起こる順序、時計、長さ(所要時間)、毎日の予定に関わります。順序と、どれくらい続くかは、二つの異なる観察の方向を与えてくれます。靴を履くのは出かける前。積み木を片づけるには、少し時間がかかるかもしれません。
保護者や先生は、まず何枚かの絵カードで子どもの朝を並べてもらい、次に短い活動を選んで一分間を感じてもらえます。静かに一分待つことと、組み立てに夢中で一分過ごすことでは、主観的な感じ方が違うかもしれません。タイマーは、共に参照できるもう一つの記録を与えてくれます。
MATH000 コースページ から始めるとき、五つのテーマを一枚の進度表に詰め込む必要はありません。今いちばん興味のある一節を選び、教材を少し見てから、机のそば、部屋の中、あるいはその日の予定の中に戻り、似た問題を一つ探してみましょう。
一度の活動で結論をひとそろい出す必要もありません。「一つずつ対応させたよ」と説明できたり、「先に両端をそろえよう」と自分から言えたりすれば、それはさらに話し合う価値のある根拠になっています。
子どもがもう一度あの二列の丸いカードを見たとき、また数え直したくなるかもしれません。それはよいことです。ここで数学が残してくれるのは、いつでも取り出して使える一つの方法です。見た目がはっきりしないときは、手を動かして確かめる。それだけのことです。
本文は EvoClass の現在の MATH000 コース紹介と教材に基づいて執筆しました。文中の家庭での発展活動は、理解と寄り添いのための例です。レッスンのリンクは英語の教材を指しているため、保護者や先生が付き添って読み、伝え、操作することをおすすめします。また、大きさが適切で安全な操作材料を選んでください。教材は訪問者も閲覧できますが、AI チューターなどの全機能はログイン後に利用できます。